19世紀末から20世紀初頭にかけてのフランスは、豊かな良き時代を意味する「ベル・エポック」と呼ばれ、ミュシャ、ロートレック、カッサンドルらがデザインした華やかなポスターが街角を彩っていました。
この時期のフランスは産業の近代化が進み、パリを中心とする大都市の人口が増加、街は商品で溢れ、人々はモダン・ライフを満喫しました。ベル・エポックは、広告デザインが花開いた時代でもあります。近代都市生活を彩るさまざまな物品や、人々を楽しませる興行の数々を華々しく紹介する広告が、美しいポスターとなって街を飾りました。19世紀末に生まれた優美な「アール・ヌーヴォー」と、1920年代の工業時代を象徴する「アール・デコ」が、この時期のポスター・デザインの大きな軸となっています。
本展は、京都工芸繊維大学・美術工芸資料館所蔵のポスター・コレクションから、ベル・エポック期におけるフランス・ポスターの名品約130点を、一堂にご紹介するものです。多彩なポスターを通して、近代都市パリの輝きとポスター芸術の真髄をご堪能いただければ幸いです。
主 催: 新潟県立近代美術館、UX新潟テレビ21、「華麗なるパリ ベル・エポック展」新潟実行委員会
企画協力: 青幻舎プロモーション 協 力: 長岡造形大学、新潟県立美術館友の会
後 援: 新潟県教育委員会、長岡市、長岡市教育委員会、新潟日報社、長岡新聞社、FM新潟77.5、FMながおか80.7
観覧料 | 当日券 | 前売券 |
一般 | 1,300円(1,100円) | 1,100円 |
大高生 | 1,100円(900円) | - |
中学生以下 | 無料 | - |
※( )内は有料20名以上の団体料金。
※大学・高校生は学生証を提示してください。
※障害者手帳をお持ちの方は観覧料が免除になります。受付で手帳をご提示ください。
展覧会カタログ、ポストカードを当館受付にて販売しています(販売は16:30まで)。
●展覧会公式カタログ『フランスのポスター 京都工芸繊維大学美術工芸資料館デザインコレクション2』1,650円(税込み)
著者:平芳幸浩
監修:京都工芸繊維大学美術工芸資料館
判型:文庫判/ 総頁:280頁
ISBN 978-4-86152-631-2 C0070
●ポストカード(全8種) 各110円
フランス・パリにおいて、美しい色彩と華やかなデザインで、近代ポスターの礎を築いたといわれるのが、ジュール・シェレです。躍動感に溢れる人物像を描いたポスターは、当時の社会を風靡しました。本章では、シェレの代表作に加えて、ポスター・デザインを芸術の域に高めたといわれるアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックの作品を紹介します。 〔図版1、2〕
1. アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《ディヴァン・ジャポネ》1892年 ディヴァン・ジャポネは「日本の長椅子」という名のカフェ・コンセール。当時は日本趣味が流行し、ロートレックも浮世絵に夢中でした。 |
2. ジュール・シェレ《「華麗なるパントマイム」ミュゼ・グレヴァン》1892年 シェレの描いた明るく陽気な女性像はパリで大人気。作者の名に因み「シェレット」と呼ばれました。 |
ベル・エポックといわれる19世紀末から第一次世界大戦期までの時代のパリは、近代的な消費文化が花開いた、まさにモダン・ライフを体現した街でした。商品を際立たせ、特徴を伝える手段としての広告ポスターが、この頃、飛躍的に発展しました。最新流行の服飾から観光のポスターまで、豊かな暮らしを彩ったポスターをご覧いただきます。 〔図版3、4〕
3. 作者不詳《満月印パスタ》1922年頃 月も覗き込むほど美味しそうなパスタ!アール・デコならではの迫真性です。 |
4. 里見宗次《K. L. M. オランダ航空》1933年 若くしてフランスに渡り、国際的に活躍したデザイナー里見宗次の代表作です。 |
ポスター・デザインが発展した時代は、欧米で博覧会が盛んに開催され、新聞・雑誌等のメディアが隆盛した時代と重なっています。世界中の文物を「見る」ことで、現地を訪れたかのような疑似体験が出来る万博と、視覚を通して疑似体験を生み出すポスターは、いずれも近代という「眼差しの時代」を象徴しています。〔図版5〕
5. モーリス・ドニ《『ラ・デペーシュ紙』》1892年 刷り上がった新聞に人々が殺到しています。神秘的な作風で知られるナビ派の画家ドニが描いたとても珍しいポスターです。 |
19世紀末のパリでは、街灯がガスから電気へと変わり、市民たちが観劇や舞踏会へと夜の街へ繰り出す機会が増えました。キャバレーやミュージックホールも出現します。公演告知のポスターは当時のポスター・デザインの花形であり、女優サラ・ベルナールや歌手ミスタンゲットの印象的なポスターが人々を魅了しました。 〔図版6、7、8〕
6. テオフィル・アレクサンドル・スタンラン《シャ・ノワール》1896年 モンマルトルのキャバレー「シャ・ノワール(黒猫)」は音楽や影絵芝居で評判の店。あのサティもここでピアノを弾いていました。 |
7. G・ルンデュ《「ポール・ウィットマン公演」アンバッサドゥール座》1926年 「ジャズ王」ポール・ウィットマン(アメリカではポール・ホワイトマン)率いる楽団の華やかなレビュー公演を告げるポスターです。 |
8. アルフォンス・ミュシャ《椿姫》1896年 女優サラ・ベルナールを描いた前年のポスターが大成功し、ミュシャは彼女のポスターをいくつも制作しました。 |
7月1日(土)14:00~15:30 講師:平芳幸浩氏(京都工芸繊維大学 美術工芸資料館 教授)
会場:当館講堂 定員:165名 申込不要/要観覧券(半券可)
7月30日(日)14:00~ (2018年、フランス・ドイツ・ベルギー映画、94分、日本語吹替版) 会場:当館講堂 定員:165名 申込不要/要観覧券(半券可) |
7月29日(土)14:00~15:30 講師:藤田 裕彦 (新潟県立万代島美術館長) 会場:当館講堂 定員:165名 申込不要 |
8月19日(土)14:00~15:30 講師:平石昌子(当館専門学芸員) 会場:当館講堂 定員:165名 申込不要
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《ディヴァン・ジャポネ》1892年 |
※定員に達したため、キャンセル待ちを受け付けております。
8月11日(金・祝)①9:30~12:00 ②13:30~16:00
講師:岡谷敦魚氏(長岡造形大学 美術・工芸学科 准教授)
会場:当館2Fギャラリー/定員:各回10名/対象:小学生以上(大人の方だけの参加も可能です)
*要事前申込(電話のみ:0258-28-4111/受付時間 9:00~16:00)。受付開始:6月1日(木)
*高校生以上は要観覧券(半券可)
「子育てに優しい新潟」を広げるため、当館では親子で美術に親しむ機会を設けます。
お子様とご一緒に展覧会をお楽しみください。
日 時:7月9日(日) 9:00-17:00 ※入館は16:30まで
対 象:企画展「華麗なるパリ ベル・エポック展」
※コレクション展は対象になりません。
内 容:中学生以下の子を同伴する保護者の観覧料が無料になります。
子ども1人につき保護者2人まで。
●その他
NIIGATAアートリンク共催 「華麗なるパリの〇〇な話」
7月29日(土)14:00(約2時間)
会場:新潟市新津美術館(TEL. 0250-25-1300) レクチャールーム
*定員50名 申込不要 聴講無料
新潟県立近代美術館、新潟県立万代島美術館、新潟市美術館、新潟市新津美術館の学芸員によるリレートーク!パリをめぐる時間旅行をお楽しみください。
販売期間:4月28日(金)から6月30日(金)まで
販売場所:① 電子チケット
② コンビニエンスストア
店内端末「JTBレジャーチケット」をご利用ください
(商品番号0262263)
③ 県内プレイガイド : プレイガイド一覧
2023年07月01日(土) ~ 2023年08月27日(日)
9:00~17:00
※チケットの販売は16:30まで
7/3(月)、10(月)、18(火)、24(月)、31(月)、
8/7(月)、21(月)
当日券:一般1,300円 (1,100円)
大・高校生1,100円 (900円)
※中学生以下は無料
※( )は有料20名様以上の団体料金です。
※障害者手帳をお持ちの方は観覧料が免除になります。受付で手帳をご提示ください。
新潟県立近代美術館
交通案内はこちら