2022年度 第1期

概要

展示室1 「人体・肉体の表現を見る。」

作家が、人間の肉体をどのように写し、考えたのか、そして、どのように捉えて作品に表現してきたのか、骸骨から死体、また裸像、そして抽象的表現まで、さまざまな様相の肉体表現を紹介します。

展示構成

 一、肉体を写す。

桑重儀一《浴する女》制作年不明

 

人体・肉体を、作家たちはどのように写し取ってきたのでしょうか。見たままを写し取ろうとした作品を展示します。  
 二、肉体を考える。

阿部展也《人》1951年

目に映った人体・肉体を、作家たちは様々な見方・考え方で、見たままとは異なる姿に変換して表現します。ここでは、作家たちがどのように見、考え表現したかを紹介します。  
 三、肉体の昇華

比田井南谷《作品64-25》1964年

これは人体・肉体なのでしょうか?人間の肉体の姿を超え、どのように人間の存在を表現したかを紹介します。  

 

展示室2 「近代美術館の名品」

昨年度の新収蔵品を交えながら、当館の名品を紹介します。
良寛の書からヴィデオアーティスト久保田成子の映像作品まで、幅広いジャンルの作品を展示します。

当館の名品から

ケーテ・コルヴィッツ《母と二人の子》1932-36年

ケーテ・コルヴィッツは、第一次・第二次世界大戦の時期を生きたドイツを代表する芸術家です。彼女は第一次大戦で息子を、第二次大戦では孫を亡くしています。その人生に思いを馳せれば、本作の母親が何を思い、何を守ろうとしているのか、自ずと見えてくるでしょう。

 
 
新収蔵品から

良寛《寒山詩「人問寒山道」》1790年代後半~1800年代

良寛が書に向かう初期の頃の書風で、和様のおだやかな形で書かれています。
中国唐代に台州にある天台山の国清寺にいたとされる伝説的な風狂僧・寒山による詩です。

 
 

グループGUN《雪のイメージを変えるイベント(信濃川の雪のハプニング、1970年2月11日、15日)》1970/2009年

1970年、新潟の前衛美術グループGUNのパフォーマンス《雪のイメージを変えるイベント》が行われ、このイベントは『アサヒグラフ』(3月6日号表紙)と『芸術生活』(4月号)に掲載され、GUNの存在を一躍全国に知らしめることになりました。本作は、これを撮影した羽永光利、磯俊一、堀川紀夫の写真を、限定30部で印刷した作品集で、GUNの創立40周年を期に発行されたものです。

 

©Mitsutoshi Hanaga

 

久保田成子《ブロークン・ダイアリー:私のお父さん》1973-75年

令和3年度に当館で個展を開催した新潟県出身作家・久保田成子の代表作であるシングル・チャンネル・ヴィデオ「ブロークン・ダイアリー」シリーズの一作です。癌で闘病中の実父の姿を撮影したヴィデオを再生しながら自らも映り込んで作品化したものです。

 

 

 

展示室3 「北川民次 メキシコ―魂の場」 [前期:~5/15(日)]

30代から40代半ばまでをメキシコで過ごし、その美術の影響を強く受けた北川民次。彼のメキシコを強く感じさせる作品を中心に紹介します。

北川民次《大地》1939年

 

北川民次(きたがわ たみじ)1894-1989(明治27-平成元)

静岡県に生まれる。早稲田大学を中退し渡米。1920年代にアメリカ南部を放浪した後、メキシコに入り、オロスコ、リベラ、シケイロスらと親交を結ぶ。タスコでは野外美術学校校長を務めた。1936年帰国、二科会会員となる。児童美術教育へも貢献した。メキシコ絵画の影響を受けて力強い作風の作品を残した。

 

 バッタをモチーフにした作品群

北川民次《バッタ》1969年

北川は、メキシコのある種族が祖先の象徴として祭っていたバッタを好んで描きました。本展で展示される作品は、『バッタの哲学』の出版に向けて制作された作品群です。
これは、彼の人間や社会についての理解や〈性〉についての考え方などを描き出しており、メキシコの民衆や作者自身が擬人化されています。
 

北川民次《かいう・女・バッタ》1970年

   
 男と女の表現

北川民次《抱擁》1979年

北川は晩年、ピカソに影響を受け、男女をモチーフにした連作を始めました。人間の基本的な欲求を、躊躇無く正面から取り上げることで、男女の間に沸き起こる感情を、聖なるものと肯定したのです。そこには人間のヴァイタリティを感じさせます。  

 

 

 

 

展示室3 「相澤コレクションによる 靉嘔」 [後期:5/17(火)~]

虹色の作品や、1960年代の前衛芸術運動フルクサスでのパフォーマンスでも知られる靉嘔。所蔵品の相澤コレクションより、その初期の素描や版画作品を一堂に紹介します。

靉嘔《かげの前の群衆》1955年

 

靉嘔(あいおう)1931年-(昭和6年-)

茨城県玉造郡に生まれる。東京教育大学芸術学科卒業後、池田満寿夫らとグループ「実在者」を結成。1958年渡米、前衛芸術グループ・フルクサスに加わる。’63年にニューヨークで個展を開き、以後虹のスペクトルを用いた作品を発表し、「虹の画家」と呼ばれた。’67年バンクーバー国際展大賞受賞、以降国際展を中心に活躍し、あらゆる事物や人間像に虹のスペクトルをかける独自の世界を展開している。

みどころ

デモクラート美術家協会時代の作品

靉嘔は1953年、瑛九を中心に若い芸術家たちによって結成された「デモクラート美術家協会」に加入します。そこで瑛九や泉茂らに影響を受け、1954年頃から銅版画を集中的に制作するようになりました。これらの作品には戦後の人間存在を問うような視線が感じられます。

靉嘔《首つりの夕》1955年

   
 
久保貞次郎との出会い:西洋美術の吸収

瑛九を通じて「創造美育運動」の主導者であった久保貞次郎と出会った靉嘔は、その趣旨に賛同し、同運動に参加するようになります。久保のコレクションに含まれていたアルプやレジェなどの西洋美術の実物を目にした靉嘔のこの頃の作品には、それらの影響が如実にみられます。

 

代表作《田園》の素描とそこから広がる世界

靉嘔《田園素描》1956年

   

相澤コレクションには、渡米前の傑作《田園》(1956年、東京都現代美術館所蔵)の墨による素描が含まれています。《田園》の油彩作品に靉嘔は「食う為生きる為に耕す父母兄弟姉妹におくる」と記しており、農村で生活する人々の営みを敬う作家の精神が感じられます。初期の素描には農具を描いた作品も数多く制作されていました。

 

 


会期中展示替えがあります[前期:~5月15日(日)、後期:5月17日(火)~]

※画面上部の画像:坂田一男《椅子による裸婦》1924年(「人体・肉体の表現を見る。」より)

出品リスト(前期)357KB

出品リスト(後期)371KB

基本情報

会期

2022年03月29日(火) ~ 2022年06月19日(日)

開催時間

9:00~17:00
券売は16:30まで

休館日

4月4日(月)、11日(月)、18日(月)、25日(月)、5月16日(月)、23日(月)、6月6日(月)、13日(月)

観覧料

一般430円(340円)
大学・高校生200円(160円)
※中学生以下無料

会場

新潟県立近代美術館
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