講演会「憧憬から現実へ―日本人とモーリス・ドニ」を開催しました。

2024年09月07日

企画展「日本が見たドニ|ドニの見た日本」が開幕しました。

8月31日(土)には、関連イベントとして、講演会「憧憬から現実へ―日本人とモーリス・ドニ」を開催しました。
講師は、本展の共同企画者である久留米市美術館学芸課長の佐々木奈美子さんです。実は佐々木さんは以前当館の学芸員をしておられ、2000年に当館で開催した「ナビ派と日本」という展覧会を企画担当した方です。同展は1920年代の日本洋画にみられるナビ派の影響を初めて本格的に検証する画期的な内容でしたが、今回の「日本が見たドニ|ドニの見た日本」は、ドニと日本の関わりを軸として、そのテーマをさらに掘り下げる意図のもとに構成されました。

はじめに佐々木さんが新潟に勤めていた頃の思い出話や、一年間フランスのモーリス・ドニ美術館で研修したことなどが柔らかい口調で語られ、会場全体が一気に和やかな雰囲気になりました。講演会のテーマである「日本人とモーリス・ドニ」について、黒田清輝とモーリス・ドニという同世代の二人の画家のエピソードや作品のスライドが示されると、参加者の皆さんも身を乗り出しながら熱心に耳を傾けておられました。ドニと日本をめぐってその初期から晩年まで実に豊かな交流のあったことがひもとかれていき、展覧会の見どころや鑑賞のヒントなどもわかりやすく紹介されました。台風10号が西から接近する中で九州から飛行機で来てくださった佐々木さん、天候不順の中でも参加してくださった皆様、ありがとうございました。

企画展「日本が見たドニ|ドニの見た日本」は10月20日(日)までの開催です。
会期中の関連イベントとして、9月22日(日・祝)には映画鑑賞会「カラミティ」、
9月28日(土)には美術鑑賞講座「モーリス・ドニの日本イメージ―魂の故郷へ」
(いずれも申込不要、参加無料)を行います。

展覧会と併せて、ぜひご参加ください。