2021年07月17日
現在開催中の御大典記念 特別展「よみがえる正倉院宝物 ―再現模造にみる天平の技-」に関連して、正倉院宝物《銀薫炉》の再現製作を行った燕市在住の玉川宣夫氏(重要無形文化財「鍛金」保持者)と市川正美氏(彫金作家)をお招きし、当館の藤田学芸課長が聞き手となって鼎談を行いました。
お二方からは、製作の依頼を受けた際のエピソードなど、興味深いお話を伺いました。玉川さんからは、素材や技法、製作のための道具などを忠実に再現するため、正倉院に7~8回も足を運んで原品を実見したこと、市川さんからは薫炉の表面の質感を再現するため、苦心しながら「やすり」を自作したことなどをお話しいただきました。
また、それぞれ金工作家として活躍されているお二方の特徴的技法として、玉川さんの「木目金(もくめがね)」、市川さんの「布目象嵌(ぬのめぞうがん)」のご紹介もしていただきました。
御大典記念 特別展「よみがえる正倉院宝物 ―再現模造にみる天平の技-」は8月29日(日)までの開催です。会期中、企画展示室ロビーで《銀薫炉》再現模造の製作過程を記録した映像を上映しています。ぜひご来館ください。