2015年09月10日
「生誕100年 写真家・濱谷浩」が、8月30日に終了しました。会期中、皆様からお寄せいただいた感想を会場内に掲示するとともに、一部については当館のホームページで7回にわたりご紹介させていただきました。誠実で含蓄のある感想を多くの皆様からお寄せいただき誠にありがとうございました。
最終回になりますが、会期末にいただいた感想の中から一部を抜粋してご紹介します。
◆皆様からの感想
・ずっと来たかったのですが、最終日にようやく来れました。60年前の新潟を含む裏日本の情景がものすごく昔に思えて、80年も昔の東京で生き生きとカメラを見つめる人たちが逆に現代の人と見分けがつかなかったりします。表日本と裏日本、戦前と戦中と戦後を対比的に”感じる”ことができました。良い企画をありがとうございました。(50代の男性)
・戦前・戦時中・戦後の移り変わり、またその中でも”表”と”裏”の違いに愕然としました。たまたま産まれ落ちたところで人生が変わるというのを、作品を通して感じました。戦後、数年後の写真の華やかさ、裏日本では変わらず日々生活を送る人々。本当に人間とは何なのか?日本人とは何なのか?と強いメッセージを感じました。今の日常が大変幸せであり、また考え続けていかなければならないことを痛感しました。(30代の女性)
・一番印象に残ったことばは、「時代の渦に巻き込まれないだけの自覚と強さが、私には備わっている」でした。それは私たちひとりひとりに心の有り様について写真を通して濱谷さんが語りかけていることばだと思いました。日常生活をしっかりと見つめて、ひとりひとりの幸せとは自分たちが作っていくことだと改めて思いました。(60代の女性)
・写真は芸術ではなく記録。それにしても何と変化に富んだ時代を生きて、それをしっかりと受け止め、見てきたのでしょう。心の底に筋を通してレンズをのぞいてきたからできあがった映像でもあり、”師”の生き様を感じました。戦争はだめ、絶対にしてはいけない。(60代の女性)
・「雪国」で初めて濱谷さんの写真に接し感動を覚えてから、今回の写真展で再びお目にかかることができ幸せでした。モノクロ描写で写真の原点をゆく数々の写真。写真の真髄に触れた思いです。人間性から生まれる写真とともに思想性まで訴えるすばらしさが心に刻まれました。(70代以上の男性)