第23回亀倉雄策賞受賞記念 田中良治「光るグラフィック展 0 ”Illuminating Graphics 0”」/ JAGDA新人賞展2021 加瀬透・川尻竜一・窪田新

概要

 1978年に発足した公益社団法人日本グラフィックデザイン協会(略称JAGDA)は、現在、会員数約3,000名を誇るアジア最大規模のデザイン団体として、年鑑『Graphic Design in Japan』の発行や展覧会・セミナーの開催、デザイン教育、公共デザインや地域振興への取り組み、国際交流など、デザインによるコミュニケーション環境の向上のために様々な活動をおこなっています。

 重要な活動の一つとして、JAGDA初代会長・亀倉雄策(新潟県燕市出身)の生前の業績をたたえ、1999年、遺族の寄付により創設された「亀倉雄策賞」の運営と選考があります。この賞は、グラフィックデザインのさらなる発展をめざし、毎年『Graphic Design in Japan』出品作品の中から、最も優れた作品とその受賞者に贈られます。
 23回目となる今回は、田中良治氏のインタラクティブデザイン「Tokyo TDC ウェブサイト」が選出されました。簡潔に情報が整理されているだけでなく、読み手を意識した間や効率性に頼らない情報の届け方を、多角的に思考するオリジナリティが端々に感じられます。「スクリーンセーバーの仕掛けが目立つが、むしろウェブを成立させるディテールの繊細な作り込みに彼の本質がある」「ウェブサイトは情報のデザインであり、作る人のセンスが特に問われる。ヴィジュアルな魅力だけではない奥深さがある」と選考会で高く評価されました。

 一方、毎年『Graphic Design in Japan』出品者の中から、39歳以下の新鮮かつ作品の質の高いデザイナーに「JAGDA新人賞」を贈っています。この賞は1983年来、いまや第一線で活躍する116名のデザイナーを輩出し、デザイン・広告関係者の注目を集めています。
 39回目となる今回は、新人賞対象者139名の中から厳正な選考の結果、加瀬透・川尻竜一・窪田新の3名が選出されました。

 受賞作品および近作を集めた展覧会を、今年も東京に続いて、ここ新潟にて開催いたします。世界に誇る日本のグラフィックデザインの現在をぜひご覧ください。

■会場:新潟県立近代美術館 2階ギャラリー
※新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、マスク着用の上、ご来館ください。

■主催:長岡造形大学、新潟県立近代美術館、公益社団法人日本グラフィックデザイン協会
■協力:株式会社アマナ、クリエイションギャラリーG8、亀倉雄策賞事務局、公益社団法人日本グラフィックデザイン協会新潟地区(JAGDA新潟)、谷口暁彦、HIGURE 17-15 cas、Semitransparent Design

開催記念講演会

日時:12月4日(土)
第1部 13:30~14:30
講師:加瀬透氏、川尻竜一氏、窪田新氏(新人賞2021受賞者/オンライン登壇)

第2部 14:45~15:45
講師:田中良治氏(第23回亀倉雄策賞受賞者)

会場:新潟県立近代美術館 講堂

定員:80名( 参加無料/要事前申込/各講演30 分前より開場)

申込方法:電話(0258-28-4111/受付時間 9:00-16:00)またはメール(ngt503040@pref.niigata.lg.jp)にて、イベント名、お名前、お電話番号とともにお申し込みください。

申込締切:12月3日(金)16:00
※ただし、定員に余裕のある場合は、当日の受付を行うことがあります。詳しくは当日、美術館までお問い合わせください。

第23回亀倉雄策賞

田中良治 Ryoji Tanaka
1975年三重県生まれ。同志社大学工学部および岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー卒業。2003年セミトランスペアレント・デザイン設立。ウェブサイトの企画・制作から国内外の美術館・ギャラリーでの作品展示までウェブを核とした領域にとらわれない活動を行っている。主な活動に、「オープンスペース」2008、2015/NTTインターコミュニケーションセンター[ICC]、「tFont/fTime」/山口情報芸術センター[YCAM]、セミトランスペアレント・デザイン「退屈」/ギンザ・グラフィック・ギャラリー、「光るグラフィック展」1、2/クリエイションギャラリーG8の企画・キュレーションなど。’15年JAGDA新人賞、’17年、’20年、’21年JAGDA賞受賞。
http://www.semitransparentdesign.com/

タイプディレクターズ団体のインタラクティブデザイン
「Tokyo TDC ウェブサイト」(cl: 東京タイプディレクターズクラブ) 
https://tokyotypedirectorsclub.org

JAGDA新人賞2021

加瀬透 Toru Kase
1987年生まれ。埼玉県出身。2010年立教大学経営学部国際経営学科卒業、’11年桑沢デザイン研究所 専攻デザイン科卒業。’15年よりフリーランス。 グラフィックデザインやエディトリアルデザイン、グラフィックワークの制作・提供・展示を中心に活動中。http://torukase.com/

左:写真集のブックデザイン「Kohei Kawatani『Tofu-Knife (RC Edition)』」(cl: 川谷光平)
右:音楽レコードのジャケットデザイン「Okada Takuro + duenn『都市計画 (Urban Planning)』」(cl: スペースシャワーネットワーク)

書店内フェアの展示作品・グッズ・空間構成「膜、気流(本を読む人)」(org: 代官山 蔦屋書店 co-org: 竹尾+宣伝会議+博報堂)

川尻竜一 Ryuichi Kawajiri
1982年北海道留萌生まれ、札幌在住。2006年北海道造形デザイン専門学校グラフィックデザイン学科卒業。’10年デザ院入社。’11年札幌ADC新人賞、’19年札幌ADCグランプリ受賞。

左:個展の告知ポスター「果報」(org: ファビュラス)
中:個展の出品作品・告知ツール「果報/FRUITS REPORT」(org: ファビュラス)
右:イベントの告知ポスター「合理日記」(cl: ンチチビル)

公共施設の企画展空間構成「ことばのいばしょ」(cl: 札幌文化芸術交流センター スカーツ)

窪田新 Arata Kubota
1981年山梨県生まれ。2006年多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。同年、電通入社。ニューヨークADC金賞、D&ADイエローペンシル、Cannes Lions金賞。https://www.aratakubota.net/

左:日本酒ブランドのポスター「松岡醸造 初生」(cl: 日本酒にしようプロジェクト)
中:日本酒ブランドのポスター「小野酒造店 かさね」(cl: 日本酒にしようプロジェクト)
右:日本酒ブランドのパッケージ「小野酒造店 かさね」(cl: 日本酒にしようプロジェクト)

左:ラグビーワールドリーグ団体のロゴ「JAPAN SUPER RUGBY」(cl: ジャパンエスアール)
右:新聞社の新聞広告「人生、山折り谷折り新聞」(cl: 静岡新聞SBS)

掲載書籍

各受賞作品は、JAGDAの年鑑『Graphic Design in Japan 2021』巻頭に掲載。
本書は、日本の多種多様で質の高いグラフィックデザインの成果を国内外に紹介する書籍として、1981年創刊。毎年、JAGDA会員の作品を募集・選考し、過去1年間の優れた仕事を掲載しています。(発売:六耀社/価格:税込16,500円)

基本情報

会期

2021年12月04日(土) ~ 2021年12月12日(日)

開催時間

9:00~17:00

休館日

12月6日(月)

観覧料

入場無料

会場

新潟県立近代美術館
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