1997年に急逝したグラフィックデザイナー亀倉雄策の生前の業績をたたえ、グラフィックデザイン界の発展に寄与することを目的として、1999年に亀倉雄策賞が設立されました。この賞の運営と選考は公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)が行い、毎年、年鑑『Graphic Design in Japan』出品作品の中から、最も優れた作品とその制作者に対して贈られます。
第21回は、色部義昭氏の地下鉄のCI計画「Osaka Metro」に決定しました。今回の受賞作品は、公営から民営の地下鉄として開業した「Osaka Metro」のCI計画。Metro の「M」の中にOsaka の「O」を内包した、立体的で螺旋状に動きのあるシンボルを中心に、エネルギッシュな大阪の町や走り続ける活力を表現したこの計画は、「プライベートな作品、表現が多い中、公共性の高い仕事」、「堂々たるデザインであり、亀倉雄策賞に相応しい」と高く評価されました。この受賞を記念して個展を開催いたします。
また、同じく年鑑『Graphic Design in Japan』出品者の中から、今後の活躍が期待される有望なグラフィックデザイナー(39歳以下)に贈られる「JAGDA新人賞」。37回目となる今回は、新人賞対象者152名の中から厳正な選考の結果、赤沼夏希・岡崎智弘・小林一毅の3名が選ばれました。本展では、3名の受賞作品および近作を、ポスターやプロダクト、映像などを中心に展示します。
主催 : 長岡造形大学 新潟県立近代美術館 公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会
協力 : クリエイションギャラリーG8 公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会新潟地区(JAGDA新潟)
協力(亀倉雄策賞展) : 山田写真製版所 亀倉雄策賞事務局
協力(新人賞展) : 福永紙工 平和紙業 精美堂 日光プロセス
会場: 当館2Fギャラリー
日時: 10月26日(土)
11:00 ~12:00 赤沼夏希・小林一毅(JAGDA新人賞受賞者)
※12:00より新人賞受賞者によるギャラリーツアーあり(約30分)
※岡崎智弘氏は都合により登壇できなくなりました。
14:00 ~15:30 色部義昭(亀倉雄策賞受賞者)
会場: 新潟県立近代美術館 講堂
(定員165名/参加費無料/申込不要/各講演30分前より開場)
※当日は駐車場の混雑が予想されます。公共交通機関をご利用いただくか、満車の場合は近隣の駐車場をご利用ください。
色部義昭 IROBE Yoshiaki
1974年千葉県生まれ。東京藝術大学大学院修士課程修了。日本デザインセンター取締役。同社にて色部デザイン研究所を主宰。東京藝術大学非常勤講師。グラフィックデザインをベースに、平面から立体、空間、映像まで幅広くデザインを展開。近年の主な仕事に市原湖畔美術館や国立公園、須賀川市民交流センターtette のブランディング、天理駅前広場CoFuFunのサイン計画、Liquitexやnaturaglacéのパッケージデザインなどがある。グッドデザイン賞、SDA、JAGDA、東京ADC、D&AD、One Show Design など国内外のデザイン賞を受賞。AGI(国際グラフィック連盟)、東京ADC、JAGDA会員。日本デザインセンター 色部デザイン研究所
受賞作:CI計画「Osaka Metro」
赤沼夏希 AKANUMA Natsuki
1990年香川県生まれ、新潟県長岡市育ち。2015年東京藝術大学美術学部デザイン科卒業。同年、博報堂入社。
鯖寿司専門店のロゴ「みやこの鯖寿し」/ 講演イベントのポスター「カタリストライブ」
岡崎智弘 OKAZAKI Tomohiro
1981年神奈川県生まれ。2003年東京造形大学デザイン学科卒業。アイルクリエイティブ勤務を経て、‘11年9月よりデザインスタジオSWIMMINGを設立。グラフィックデザインを基軸に、印刷物・映像・展覧会など視覚伝達を中心とした領域にて、デザインの仕事に取り組んでいる。
個展ポスター「イメージの観測所」/ 放送局の企画展グッズ「しめじの解散!」
小林一毅 KOBAYASHI Ikki
1992年滋賀県彦根市生まれ、大阪府寝屋川市、神奈川県横浜市育ち。2015年多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。同年より資生堂クリエイティブ本部を経て、‘19年5月独立。‘16年東京TDC賞、’19年日本パッケージデザイン大賞銀賞受賞。
個展ポスター 「GOOD SUMMER」/ 自主制作作品「Graffiti / Stickers」