概要

法隆寺は、推古15年(607)に聖徳太子によって斑鳩宮（いかるがのみや）の近くに創建された日本を代表する古刹です。『日本書紀』によれば、天智9年(670)4月30日夜半に落雷によって全焼したとされ、再建には40年を費やしました。その間に、太子時代の優れた仏教美術が多数集められ、法隆寺は太子建立寺院から太子信仰寺院へと変貌を遂げました。現在では、日本で初めて世界文化遺産として指定を受けたことでも、世界中により知られるようになりました。本展では、法隆寺が太子信仰寺院として復興していった歴史を踏まえ、国宝《地蔵菩薩立像》をはじめとして、重要文化財18点を含む法隆寺の宝物と、東京美術学校との130年に渡る交流の歴史の証でもある、高村光雲、平櫛田中らの聖徳太子像や《法隆寺金堂壁画模写》、そして法隆寺信仰を示す近代日本美術作品など、一堂に紹介します。本年は東日本大震災から3年、そして奇しくも新潟県中越地震から10年にあたります。震災を乗り越えられた方々に、法隆寺再建という歴史を見据えつつ、「日本美術や日本人の精神文化の再発見」を供することは歴史的にも、そしてそれぞれの「復興」という意味においても意義深い展覧会であると言えるでしょう。

地蔵菩薩立像［国宝］（部分）平安時代（9世紀）法隆寺蔵

※学校向け団体観覧のご案内はこちら、障害者の方へのご案内はこちらをご覧ください。

ご注意

• 観覧券の販売は16:30までですが、会場の混雑状況により入場制限、および16:30以前に観覧券の販売が終了する場合があります。ご了承ください。
• 会期後半は混み合うことが予想されます。お早めのご来場をお勧めいたします。
• 作品の保存上、会場内の温度は低めに設定されています。上着をお持ちになることをお勧めいたします。
• 会期中、一部展示替えがあります。ご了承ください。

お子様だけでの入館について

小学生以下のお子様だけでの入館は、会場が広く迷子になるおそれがありますので、保護者同伴でのご入場をお願いしております。あらかじめご了承ください。

主催

新潟県立近代美術館／新潟日報社／BSN新潟放送／UX新潟テレビ21／「法隆寺 祈りとかたち」新潟展実行委員会／法隆寺

特別協力

朝日新聞社

協賛

大伸社

協力

日本通運／塩竃港運送

特別協賛

株式会社 福宝

後援

文化庁／長岡市／長岡市教育委員会／新潟県小学校長会･中学校長会･特別支援学校長会／新潟県高等学校長協会／NHK新潟放送局／エフエムラジオ新潟／FM PORT 79.0

展覧会構成

第1部　美と信仰　法隆寺の仏教美術

飛鳥時代の持国天立像や多聞天立像といった仏教美術や、聖徳太子像など太子信仰に関わる作品を展示します。

第2部　法隆寺と東京美術学校

明治時代に岡倉天心が調査した宝物をはじめ、宝物の保存と継承に大きな役割を果たしてきた東京美術学校(現･東京藝術大学)の関係者による作品や、法隆寺金堂壁画の貴重な模写を展示します。

第3部　法隆寺と近代日本美術

現在も信仰を集める法隆寺に向けられた作家の眼差しを通じて、今日の日本における歴史や文化の意義について紹介します。

関連イベント

講演会

講堂 [無料]　申込不要･先着165名
7月5日(土) 13:00～　｢和の社会と日本文化」　講師：大野玄妙 氏（法隆寺管長）
7月26日(土) 14:00～　「法隆寺の美術と聖徳太子」　講師：水野敬三郎 氏（当館名誉館長･東京藝術大学名誉教授）

関連講座

講堂 [無料]　申込不要･先着165名 8月2日(土）14:00～　「金堂壁画と日本近代美術」　講師：長嶋圭哉（当館主任学芸員）

映画鑑賞会

講堂 [無料]　申込不要･先着165名 7月19日(土）14:00～／15:00～　(2回上映)　映画『聖徳太子』(1994年25分)

関連グッズ

展覧会公式図録等を販売しております。詳しくはこちら（ミュージアムショップ）。

展示作品

聖徳太子立像（孝養像） [重要文化財] 鎌倉時代 （14世紀）　法隆寺蔵	広目天立像［重要文化財］　 平安時代（12世紀）　法隆寺蔵 [写真提供:小学館]
阿弥陀如来坐像［重要文化財］　 平安時代 （12世紀）　法隆寺蔵 [写真提供:小学館]	多聞天立像［重要文化財］　 平安時代 （12世紀）　法隆寺蔵 [写真提供:小学館]
和田英作《金堂落慶之図》大正7年（1918） 法隆寺蔵　[写真提供:小学館]

※菩薩立像（［重要文化財］飛鳥時代（7世紀）法隆寺蔵）は、新潟展では展示されません。ご了承くださいますようお願い申し上げます。