第二次大戦後、日本画は大きな方向転換を遂げました。「花鳥風月」といった言葉に代表される伝統的なイメージが否定され、新たな出発が求められたのです。そこに登場したのが、本県出身の横山操です。黒煙を上げる火山を描いた代表作《炎炎桜島》の大画面は見る者を圧倒し、彼は戦後の日本画史に、忘れることのできない画家としてその名を刻みました。操の他、同時期の加山又造、麻田鷹司の作品もご覧いただきます。
1980年代に入ると、戦中・戦後生まれの世代が活躍を始めます。1984年に結成された「横の会」では、岩絵の具や箔といった日本画独特の画材の美しさや余白の持つ情趣、水墨による表現の可能性など、各人が自由に日本画を追求しました。中島千波をはじめ、現在の日本画壇において中核を担っている実力作家達がこの会によって才能を開花させたのです。さらに現在、彼らに続く世代である千住博、岡村桂三郎らの活動が注目を集めています。
本展では戦後まもなくから現在に至る日本画の大作を一堂に展示します。様々な面を見せながら刻々と変化を続ける現代日本画の姿を実感していただける機会となるでしょう。