今夏、東京都現代美術館で18万人を超える来場者を記録し、大きな反響を呼んだ「ディズニー・アート展」を新潟で開催する運びとなりました。この展覧会のきっかけは、2005年冬の「千葉大学で初期ディズニー・アニメーションのオリジナル画が大量に発見された」との発表です。「眠れる森の美女」をはじめとするディズニー映画の製作過程で実際に使われたコンセプト・アートや背景画などおよそ250点が、45年の長い眠りから“目を覚ました”瞬間でした。
これらの作品は、1959年に米ウォルト・ディズニー社が全米で公開し、翌1960年には日本に巡回して大きな話題となった「動画芸術ウォルト・ディズニー展」に出品された貴重なものでした。
今回の「ディズニー・アート展」では、その永らくひそかに眠っていた“Missing Treasures(幻の宝物)”のうち、丹念な修復が施された200点もの作品を間近に見ることができます。さらには、米ウォルト・ディズニー社の協力により、アニメーション関連作品資料の収蔵機関、ディズニー・アニメーション・リサーチライブラリーの門外不出の秘蔵コレクションから約300点が出品されます。これらの作品のほとんどは、国外に出たことのない非常に貴重なものです。
また、本展の展示作品の選定は、ディズニー本社のスタッフと、「スタジオジブリ」スタッフにより協力して行われました。今から半世紀近くも前に日本を巡回した「動画芸術 ウォルト・ディズニー展」は、高畑勲監督や宮崎駿監督をはじめ、アニメーションを志す当時の若者たちに大きな影響を与えたと言われています。アニメーションが国境や世代を越えて世界中の人々に愛されている今、本展はその原点となったウォルト・ディズニー自身とアーティストたちの「情熱」を体感することのできる絶好の機会です。
ウォルト・ディズニーが日本に届け続けた「夢」と「情熱」。それは、時を越えて、今を生きるわたしたちの心にも新しい「発見」と幸せを届けてくれることでしょう。