若くして、その才能を開花させ、彗星のごとく現れた有元利夫でしたが、1985年38歳で突然この世を去ってしまいました。有元はイタリアのフレスコ画や日本の仏画の影響を受けながら独自の絵画世界を展開していきます。そこには「様式」の中にある普遍性や風化していくものへの共感がありました。また、バロック音楽に魅せられていく過程にも同じ思いがありました。そして作品は、版画、立体へとその幅を広げていきます。本展では絵画、版画、立体など卒業制作から晩年の作品まで約130点で、静寂と詩情あふれる有元芸術の全貌をご紹介します。