シリーズで新潟県在住作家の活躍ぶりを最近作で紹介してきた「新潟の美術展」が西暦2000年という記念すべき年の春、新たな企画で再出発します。今回から「県内在住」の枠を外し、県外の本県出身作家も対象にすることといたしました。再出発の第1回は、鈴木力氏(一陽会委員・弥彦村出身・新潟市在住)と、柴田長俊氏(創画会会員・上越市出身・軽井沢町在住)の回顧形式による二人展です。二人は、おのおの洋画、日本画と属する分野は違いますが、深い洞察力と豊かな構想力、そして確かな造形力でスケール大きな絵画世界を展開し、美術界の第一線で活躍されています。鈴木氏は本領の画面の構成力と独自のマティエールを活かしてイタリアの古都をモティーフに堅固な絵画空間の構築をめざし、柴田氏は「人間の原点」「風土と人間」「生と死」をテーマに装飾性と精神性を均衡、併存させるべく新たな画境を進展させています。新装となった県民会館ギャラリーで新世紀にむけて絵画の意味を改めて問いかける二人の力作の数々をご鑑賞下さい。