この展覧会は、子供を対象とした「子どものための美術展」の2回目となります。今回は、子供の見方・感じ方に焦点をあてることになりました。子供の思いや願いを大切に、主体的な鑑賞活動を支援するという考えに立ち、表面的で、受け身的な見方ではなく、見る、感じる、思いをめぐらす、考える、調べるなど、一人一人が自分なりに作品と関わり方を見つけ、鑑賞する楽しさを味わってほしいというのが、この展覧会のねらいです。今回の「目で、からだで、心でみる。わたしの見かた、感じかたで」の展覧会タイトルは、このねらいを表すとともに、そのまま子供たちへのメッセージとなっています。「目も、からだ全体も、心も思いきり働かせて作品と出会ってほしい。自分の見方、感じ方でみていいんだよ。もっと自信をもっていいんだよ。」という願いを込めています。展示は、「目でみる」「からだでみる」「心でみる」の3つのコーナーから成り、各コーナーを選んで自由に見ることができるような構成としました。また、展示の他に作品とより深く関わるための支援として、ハイビジョンやインターネットを使って「調べる活動」を行ったり、鑑賞をきっかけに生まれる子供の表現意欲に応えるために、素材や技法に関するワークショップを行います。この展覧会が、生涯にわたって続いていく美の旅の大切な一歩となってくれることを願っています。