今年7月で開館5周年を迎えた新潟県立近代美術館では、平成6年度より「人と自然の関わり」を主題にして野外彫刻の設置計画を進め、現在第一線で活躍する作家に作品の制作を依頼しました。実際に設置される環境を見学した上でその場所に相応しい作品が構想され、現在8作家による8体の作品が美術館を囲むように置かれ、来館者ばかりか、信濃川沿いを散歩する人々の目をも楽しませています。この展覧会では作品制作を依頼した作家である、青木野枝(あおきのえ)、岡本敦生(おかもとあつお)、小清水漸(こしみずすすむ)、竹田康宏(たけだやすひろ)、中岡慎太郎(なかおかしんたろう)、舟越直木(ふなこしなおき)、松井紫朗(まついしろう)、前田哲明(まえだのりあき)の8名を取り上げ、それぞれの個展形式で作品を紹介いたします。彼らは、用いる素材やその扱い方、また制作の上での考え方もそれぞれに異なり、決して一つの傾向に包括されるわけではありません。それだけに、現在活躍中の彼らの作品を見ることで、素材や手法の変化に富み、多様な展開を見せている日本の現代彫刻の斬新な世界をうかがうことができるでしょう。