1900年(明治33)は19世紀の世紀末の年にあたりますが、パリでは「巴里万国博覧会」が開催され、海を渡って多くの日本画が出品されました。東京では「日本絵画協会・日本美術院連合絵画共進会」が開かれて、「朦朧体(もうろうたい)」と呼ばれる新しい傾向の日本画などが意欲的に出品されました。また、新潟では日本美術院の巡回展として「新潟絵画展覧会」が新潟県会議事堂(現在の県政記念館)で開かれ、橋本雅邦・横山大観・菱田春草・下村観山・寺崎廣業・木村武山・川合玉堂など、数多くの画家たちの作品が出品されました。本展では明治30年代に焦点をあて、3部構成によってこの3つの展覧会に出品された作品と、出品した画家たちの作品を展示し、当時の近代日本画がどように成立していったかその過程の様相と、また画家たちがどのように模索し新しい日本画を制作していったかを明らかにしようとするものです。