横山操(1920~1973)と加山又造(1927~)の二人は、ともに戦後の日本画壇が生んだ先鋭的な日本画家です。また、この二人が盛んに制作活動を行った1950年代から1960年代にかけての20年間は、日本画にとって戦後の現代美術の流れ同様、かなり多様な展開があったといえます。敗戦によって日本画滅亡論がささやかれた時期、さまざまな試行錯誤を繰り返し、画期的な道を開いた横山操と加山又造。この展覧会では、戦後美術の再考が様々になされている今日において、日本画にこだわり続けるがゆえに新しい展開を試みた二人の、特に1950年代から1960年代にかけての作品に焦点をあてることで、戦後日本画の流れの一端を明らかにしようとするものです。