「漢字」は、中国文明の中で生まれた古代文字でありながら、誕生以来三千年の長きにわたって人々に愛され使われ続けています。その時代に最もふさわしい形で表現され、読みやすさや書きやすさ、そして美しさを模索され発展してきた、世界で唯一の文字です。
本展では最古の漢字といわれる甲骨文字をはじめ、文字の統一を果たした秦時代の漢字、世界初公開となる文字の刻まれた兵馬俑など、漢字が記された文物を展観するともに、漢字を芸術の域にまで高めた王羲之や顔真卿の拓本など歴代の名書作品、歴史上の人物の書作品など、中国の博物館・研究機関17箇所から、一級文物21点を含む約110点を紹介します。
漢字の歴史と美の変遷を探りながら、漢字にまつわるエピソードなどもあわせて紹介し、本邦初公開とも言える、他に類を見ない漢字の世界をご高覧ください。
(図版左上から)
董其昌《行書東方朔答客難幷自書詩巻(ぎょうしょとうほうさくとうきゃくなんへいじしょしかん)》明時代 遼寧省博物館
《“光父辛”銅爵(“こうふしん” どうしゃく)》 商時代 安陽博物館 ◎一級文物
《光緒款御制詩磁蓋椀(こうしょかんぎょせいしじがいわん)》 清・光緒年間 故宮博物院
《鎧甲武士陶俑(がいこうぶしとうよう)》 秦時代 秦始皇帝陵博物院 ◎一級文物
展覧会チラシ(表) (222kb)
展覧会チラシ(裏) (183kb)
※学校向け団体観覧のご案内はこちら、障害者の方へのご案内はこちらをご覧ください。
主催 漢字三千年新潟展実行委員会、新潟県立近代美術館、新潟日報社、BSN新潟放送、
中国人民対外友好協会、中国文物交流中心、日本中国文化交流協会
後援 外務省、文化庁、中国国家文物局、中国大使館、中友国際芸術交流院、
中国文化センター、日中協会、人民日報海外版日本月刊、中国駐新潟総領事館、
長岡市、長岡市教育委員会、朝日新聞新潟総局、読売新聞新潟支局、毎日新聞新潟支局、
日本経済新聞社新潟支局、エフエムラジオ新潟、FM PORT 79.0、FMながおか80.7、
新潟県日中友好協会、新潟県書道協会、亀田郷土地改良区
協賛 交通銀行東京支店、平和商事株式会社
協力 漢検 漢字博物館・図書館、山九、華協国際、中国国際空港、藤井寺市教育委員会
映像制作 NHKエデュケーショナル
監修 阿辻哲次 氏(京都大学 大学院教授)
企画 黄山美術社
第1部 漢字の歴史
― 漢字は中国文化の精髄、中国文明のタイムカプセル -
世界四大文明の中で生まれた古代文字でありながら、他の地域ではいくつかの文字が断絶したり、単に音を表す文字へと淘汰されたりしていったのに対して、漢字だけは誕生以来現在に至る数千年にわたって、基本的なシステムを変えないまま多くの人々によって使われ続けています。そこから見えてくるのは、歴史の各時代において人々が漢字を愛し、生命の息吹を吹き込んできたという事実です。
第一部では三千数百年の歴史を遡り、その発生の謎にせまりながら、数多くの漢字が記された文物を紹介、その変遷と時代的意味を探ります。
《“歳于中丁”(さいうちゅうてい)牛胛骨卜辞(ぎゅうこうこつぼくじ)》 |
《五十二病方(ごじゅうにびょうほう)》 |
《刻符紅陶鉢(こくふこうとうはち)》新石器時代 西安半坡博物館 ◎一級文物 |
第2部 漢字の美
- そして漢字は美となった -
神と人間との橋渡しとして存在していた漢字は、社会の宗教性が希薄になると、国家統治の基盤として用いられるようになりました。さらに漢字は単なる情報伝達のツールとしてではなく、美的鑑賞の対象となっていきます。極めてシンプルでありながら奥の深い精神世界が表現されています。
第二部では、著名な書家による多様な書体で表現した秀作から、書き手の人柄と個性がほとばしる文字の宇宙を紹介します。
《定窯乾隆御制詩椀(ていようけんりゅうぎょせいしわん)》 金時代 故宮博物院 |
鄧石如《隷書“世慮全消” (せりょぜんしょう)》 |
《妙法蓮華経巻一下冊(みょうほうれんげきょうかんいちげさく)》清時代 故宮博物院 |
一 世界初公開!文字が刻まれた兵馬俑
兵馬俑には製作者である工匠の名前が小篆文字で押印されたり、刻まれたりしているものもあります。推定8,000体にも及ぶ大量の兵馬俑の製作には、都で瓦や陶器を焼いていた工匠たちが総動員されていました。署名入りの俑には工匠個人の製作技術が反映されているかもしれません。本展では、左胸に「不」の文字が刻まれた兵馬俑を展示します。
《鎧甲武士陶俑(がいこうぶしとうよう)》 秦時代 秦始皇帝陵博物院 ◎一級文物 |
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二 20点を超える一級文物
中国の博物館・研究機関17箇所から、21点の「一級文物」が集められました。中国における一級文物とは、日本では「国宝級」に値します。これだけの作品が一堂に会することはとても貴重です。この機会を逃さず御覧ください。
《“鄂君啓”金節(車節)(“がくくんけい”きんせつ(しゃせつ))》 戦国時代 安徽博物院 ◎一級文物 |
《“駙馬都尉”銀印(“ふばとい”ぎんいん)》 漢時代 洛陽博物館 ◎一級文物 |
三 文字を芸術の域に高めた顔真卿らの作品
石や骨に文字を刻んだ時代から紙の普及とともに書の芸術性は一気に高まりました。その牽引者の一人が唐中期に活躍した顔真卿です。初唐のころ盛行した王羲之の書風とはまったく異なる強烈な書風です。弘法大師(空海)も顔真卿の影響を受けたと言われています。そのほか、王羲之や歴史上の人物の書作品などを紹介します。
《唐顔氏家廟碑拓片(とうがんしかびょうひたくへん)》 唐時代(碑建立) 西安碑林博物館 |
《唐顔氏家廟碑拓片(とうがんしかびょうひたくへん)》 (部分)唐時代(碑建立) 西安碑林博物館 |
四 体験コーナー「さわってみよう!」開設
青銅器、甲骨文字、竹簡、古銭など、実際に手にとって触れることのできるコーナーを開設します。直に触れて感じることで、作品の見え方もこれまでとは変わってくるかもしれません。
◆記念講演会「漢字に見る日本人の知恵」終了しました
日 時 5月6日(土)14:00~15:30 (開場予定時刻13:30)
講 師 阿辻哲次氏 (京都大学名誉教授 本展監修者)
会 場 県立近代美術館 講堂(定員165名)
■申込方法■ 講演会は事前の申込が必要です。
◇はがきに住所、氏名、電話番号を明記し、
〒950-8535 新潟市中央区万代3丁目1番1号
新潟日報社ふれあい事業部
「漢字三千年展 講演会」係へ
※1枚で2名まで申込ができます。2人とも氏名を記入してください。
◇4月30日(日)必着。応募多数の場合は抽選。当選者には聴講券を発送します。
◇入場の際、聴講券と本展覧会のチケットを御提示ください。
【問合せ先】
新潟日報社ふれあい事業部 ☎025(385)7470
日 時:4月30日(日)①11:00~12:00 ②13:30~14:30
講 師:孫 犁冰氏(新潟青陵大学短期大学部 准教授)
会 場:新潟県立近代美術館 講座室
定 員:各回16名 申込不要 ただし、本展覧会チケットの提示が必要(中学生以下不要)。
参加費:無料
日 時:5月3日(水・祝)①11:00~12:00 ②13:30~14:30
講 師:伊藤省風氏(新潟県書道協会 事務局長)
会 場:新潟県立近代美術館 講座室
定 員:各回16名 申込不要 ただし、本展覧会チケットの提示が必要(中学生以下不要)。
参加費:無料
日 時:5月7日(日)①11:00~12:00 ②13:30~14:30
講 師:孫 犁冰氏(新潟青陵大学短期大学部 准教授)
会 場:新潟県立近代美術館 講座室
定 員:各回16名 申込不要 ただし、本展覧会チケットの提示が必要(中学生以下不要)。
参加費:無料
日 時:5月11日(木)①11:00~12:00 ②13:30~14:30
講 師:丘山三槐氏(新潟県書道協会 理事長)
会 場:新潟県立近代美術館 講座室
定 員:各回16名 申込不要 ただし、本展覧会チケットの提示が必要(中学生以下不要)。
参加費:無料
日 時:5月19日(金)①11:00~12:00 ②13:30~14:30
講 師:田中藍堂氏(新潟県書道協会 理事)
会 場:新潟県立近代美術館 講座室
定 員:各回16名 申込不要 ただし、本展覧会チケットの提示が必要(中学生以下不要)。
参加費:無料
会期中、漢字三千年の図録を販売いたします。オールカラーで見応え十分です。
A4縦版 約170ページ 価格 2,000円(税込)
《“豊”銅尊(“ほう”どうそん)》 西周時代 宝鶏市周原博物館 ◎一級文物 |
《胡開文小篆秦権墨(こかいぶんしょうてんしんけんぼく)》 清光緒29年 安徽博物院 ◎一級文物 |
《成化款青花磁百寿瓶(せいかかんせいかじひゃくじゅびん)》 清康熙時代 故宮博物院 |
2017年04月29日(土) ~ 2017年06月11日(日)
9:00~17:00
券売は16:30まで
5/1(月)、8(月)、15(月)、22(月)、29(月)、6/5(月)
大人: 当日1,200円(1,000円)
大・高生: 当日1,000円(800円)
※( )内は有料20名以上の団体
※中学生以下無料
新潟県立近代美術館
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