学芸日誌⑧ 新潟県立万代島美術館《みんなのレオ・レオーニ展》のイベント事業に協力!

2019年02月21日

当館の休館に伴い、分館の新潟県立万代島美術館の企画展の教育普及活動に協力しています。

 

企画展「みんなのレオ・レオーニ展」を盛り上げるため、関連イベントの一つとして、休憩スペースで来場者が楽しめる体験コーナーの企画に協力しました。

有名な「スイミー」をはじめ、レオ・レオーニが手がけたたくさんの絵本は、子どもはもちろん多くの大人も魅了してきました。その魅力の一つは何といっても可愛らしいキャラクター。それと豊富な色彩です。作者は、もともとグラフィックデザイナーだったので、形、色、構成には、素朴な形や構成でありながら洗練されたセンスが光っています。そんな作品の魅力を子どもも大人も楽しみながら体感できるイベントを、万代島美術館の企画担当者と当館の協力担当者と打ち合わせを行いながら、2つのコーナーを考案しました。

一つは絵本「フレデリック」からです。作者が、やわらかさを出すために紙をちぎって、ねずみのキャラクターを生み出していたことにちなんだ、《ちぎってつくろう フレデリックのなかまたち》という工作コーナーです。もう一つは絵本「ペツェッティーノ」からです。色とりどりの四角で構成されたキャラクター達にちなみ、《ならべてつくろう!「〇〇なやつ」》という体験コーナーに決まりました。

 

私は「ペツェッティーノ」のコーナーを担当し、道具は使わずにカラフルなパーツを並べるだけのシンプルな活動にしようと思い、マグネットシートを選びました。手触りのよいようにフェルトを貼ったり、小さな子も使いやすいようホワイトボードの高さを低くしたりして、安心して遊べるように工夫しました。様子を見に万代島美術館に行ってみると、「フレデリック」のコーナーも「ペツェッティーノ」のコーナーも人がたくさん集まっていました。親子連れはもちろんですが、大人も熱中している姿が見受けられ、嬉しく思いました。

今回、万代島美術館への協力ということで会期中の様子は一部しか見ることができませんでしたが、万代島美術館の企画担当者から「体験コーナーは好評でしたよ」と言われ、少しでも貢献できてよかったと胸をなでおろしました。そして、会期後に戻ってきたマグネットシートのフェルトが色あせ、毛羽立っていたのを見て、「たくさんの子どもたちに遊んでもらった証拠だなあ」と心が温かくなりました。

(学芸課長代理 村山裕之)