新潟の写真家たち
100年のまなざし

概要

わが国に写真術が渡来して160年が経ちます。その中で、新潟県は全国的にも早くから写真館が登場し、またアマチュア写真も盛んな地域でした。本展覧会では、いわゆる「写真家」出現以前の「写真師」たちによる黎明期の写真から、明治末期に長岡を中心に活動した「北越写友会」の石塚三郎らアマチュア写真家の活動、そして当館所蔵の新潟の写真家たち-堺時雄、渡辺義雄、濱谷浩、牛腸茂雄の作品をご紹介します。
歯科医師だった石塚三郎(1876-1958)が20世紀初頭に県内の写真愛好家たちを集めて結成した「北越写友会」は、わずか十数年の活動期間に東京や大阪など当時の中心地に引けをとらない質量の制作を行い、全国的に一目を置かれた存在でした。堺時雄(1898-1991)は東京美術学校に一時的に設けられた写真科を卒業し、当時注目された「芸術写真」を県内で制作し続けました。建築写真の第一人者として知られる渡辺義雄(1907-2000)は、「芸術写真」に続いてヨーロッパからもたらされた「新興写真」と呼ばれる斬新な手法をいち早く取り入れました。戦中を高田で過ごした濱谷浩(1915-1999)は、厳しい雪国の生活や著名人の姿をストレートに写した「報道写真」で、37歳で夭折した牛腸茂雄(1946-1983)は身近な人々や何気ない日常の風景を独特の感性で写し出し、1970年代に注目された「コンポラ写真」の写真家として、それぞれ注目を集めました。
初期の手札サイズの肖像写真やガラス乾板からのダイレクト・プリント、また当時の刊行物などを含む、一世紀にわたる新潟ゆかりの約380点の写真作品を、写真史の流れに位置づけながらご覧いただきます。

基本情報

会期

2008年02月15日(金) ~ 2008年03月30日(日)

会場

新潟県立近代美術館
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