蕗谷虹児展
少女達の夢と憧れ

概要

新潟県に生まれた蕗谷虹児(1888~1979)は、はじめ日本画家を目指して上京します。そこで知り合った竹久夢二の紹介によって少女雑誌の挿絵を描くようになり、一躍人気画家となりました。その後、1925年にはパリへ留学します。サロンへの入選を果たし、個展を開催するなど精力的に活動しますが、1929年に帰国してからは再び雑誌の仕事に戻っていきます。また、戦中からは絵本や童話の挿絵も手がけるようになりました。雑誌によせられた戦前の挿画や、詩画集のためのペン画は、研ぎ澄まされた繊細な線で小さな画面が埋めつくされ、大正期の退廃的な同時代美術とも通じる妖しい魅力を放っています。一方で、戦中から戦後にかけて描かれた「人魚姫」などの絵本原画は華やかな色彩に溢れ、子供達の心をつかみました。線描の巧みさと色彩感覚の鋭さ、この両方の才能を兼ね備えていたのが蕗谷虹児だったといえるでしょう。本展は初公開となる作品を含む約300点で、その画業の全貌をご紹介いたします。

基本情報

会期

2004年10月09日(土) ~ 2004年11月23日(火)

会場

新潟県立近代美術館
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